道場とは仏教用語で、昔、僧侶が道を修行する場所という意味でした。現代では、剣道その他の武道に限り、体育館、修練場とも言わず、特に道場と呼ぶにはそうした意味があって、道を修め徳を磨くという特殊な意義が存しているからなのです。
現代では少なくなっていますが道場に神殿を設けるのは、武神照覧の御前において堂々の修練を積み、正しい心の修行を致しますという誓いの印であり、道場の意義と精神を具体的に象徴したものであります。したがって道場に入るときには履物を並べ、服装を正し、敬虔(けいけん)な礼をして入るのが道場の礼法であり、終わったときもまた同様なのです。
「走るな、騒ぐな、白歯を出すな」 道場は命を賭けて修練する場所だから、騒いだり、白い歯を出してげらげら笑うような不謹慎なことをしてはならないという、昔から強い戒めがあるのです。